トップページ > 最新情報(ブログ)
最新情報
【終了】【特集上映】6/14(土)~22(日)《ジャック・タチ映画祭》

 

 タチの魅力がいっぱい詰まった全監督6作品を完全デジタル復元版にて一挙上映! 監督や脚本を手掛けた短編7作品も合わせて上映致します。映画表現の自由を謳歌し、人間の滑稽さや愚かさをユーモアで描きだす、エスプリの効いたタチ流“人間賛歌”!   6/14(土)、15(日)はゲスト・トークショーもございます! さらに、ジャック・タチ映画祭関連企画としまして、6/7(土)に京都市左京区にある、恵文社一乗寺店コテージにてイベントも開催致します! 

※6/15(日)、「イリュージョニスト」の上映日が増えました!

 

《ジャック・タチ映画祭》にあわせ、フレンチ・カルチャーの良き紹介者にして、無類のタチフリーク、小柳帝さんをお招きしスペシャルトークイベントを開催いたします。貴重なコレクションや、キーワードで読み解くジャック・タチの世界。これから触れる方も、タチ・フリークも是非ご参加ください。

18時半開場19時〜21時 
入場料 1,500円/(2000円でみなみ会館でタチ作品を1作品ご鑑賞して頂けるチケット付/ご予約の際にお申しつけください) ご予約フォームはこちら 

 トーク・ショー当日は『ぼくの伯父さん』で子どもたちが食べていた、“ベニエ”という、穴のないドーナツのような甘いお菓子をル・プチメックさんにご提供して頂けることになりました!映画などフレンチ狂で有名なル・プチメック の西山シェフ作の、映画の雰囲気をたっぷり味わって頂ける“ベニエ”をぜひぜひご賞味ください♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 プレイタイム 
※2002年「新世紀修復版」を基に修復
パリ映画アカデミー大賞受賞、モスクワ映画祭銀賞受賞、ウィーン映画祭大賞受賞

1967年/フランス/124分
監督・脚本・出演:ジャック・タチ
出演:バルバラ・デネック/ジョルジュ・モンタン

 

撮影日数345日、総制作費は15億フラン (当時の為替レートに換算して約1,093億円!)、資金不足での中断は6回、全編70mm撮影という超大作であり、タチを破産に追い込んだ究極の野心作。半年以上もの歳月を費やし、パリ東部に建設した「タチ・ヴィル(タチの都市)」と呼ばれる近未来的都市の中で、アメリカ人観光客の娘・バーバラと、タチ自身が演じる「ユロ伯父さん」の邂逅をユーモアたっぷりに描く。公開当時、一部の観客からは熱狂的支持を得たものの、興行的には大失敗。しかし、カンヌ国際映画祭で上映されるなど、近年、急速に再評価が進み、監督ひいては映画芸術の”頂点”と言われている大傑作。

★6/14(土)14:50-上映後
ゲスト・トーク: 廣瀬純さん
1971年生まれ、龍谷大学准教授、映画批評家。パリ第3大学博士課程中退。専門は、映画論・現代思想。映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」(勁草書房)元編集委員。仏・映画研究誌「VERTIGO」(Capricci Editions)編集委員。著書に、『美味しい料理の哲学』(河出書房新社)、『闘争の最小回路』(人文書院)、『闘争のアサンブレア』(共著、月曜社)、『シネキャピタル』(洛北出版)、『蜂起とともに愛がはじまる』(河出書房新社)、『絶望論』(月曜社)、『アントニオ・ネグリ 革命の哲学』(青土社)。訳書に、パオロ・ヴィルノ『マルチチュードの文法』(月曜社)、ネグリ『芸術とマルチチュード』(共訳、月曜社)、ネグリ『未来派左翼』(NHK出版)、フランコ・ベラルディ(ビフォ)『NO FUTURE』(共訳、洛北出版)がある。 

Aプログラム“伯父さん”の大活躍! 
ぼくの伯父さん

アカデミー賞(R)最優秀外国語映画賞受賞、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞、ニューヨーク映画批評家協会年間ベストテン選出、フランス映画批評家協会メリエス賞受賞

1958年/フランス、イタリア/116分
監督・脚本・出演:ジャック・タチ 出演:ジャン=ピエール・ゾラ/アドリエンヌ・セルヴァンティー

プラスチック工場を経営するアルペル氏の邸宅は、至る所が自動化された超モダン住宅。そこにはユロ氏の姉である夫人と息子のジェラールが暮らしている。ジェラール少年は堅苦しい自宅にいるよりユロ伯父さんと遊ぶのが大好き。だが、夫妻は下町暮らしで無職のユロ氏が心配で仕方がない。就職やお見合いを世話しようとするが…。「ユロ伯父さん」の日常を描いた長編第3作目。大胆な色彩設計にもとづく大掛かりなセットを建設しカラー撮影を敢行した。米国流の効率や成長重視の姿勢に対する批評的な視線も鋭く、世界的な監督としての地位を確立した記念碑的作品。興行的にも大成功を収め、タチ=ユロ伯父さんのイメージを決定づけた。
 

家族の味見(短編) ★日本初上映

1976年/フランス/14分
監督:ソフィー・タチシェフ 出演:ジャック・タチ

とある小さい村のパティスリーは、村の男たちに大人気。この店にはおしゃべりしたり、カードゲームに興じたり、隠れた欲求を満たしに訪れる常連客でいつもいっぱい。何故なら、ここのレシピはちょっと特別で…。『プレイタイム』などの編集にも参加したタチの実娘ソフィーの監督作。愛する父の日常における優れた観察眼と、市井の人々へ向ける愛情を受け継いだ可愛らしい小品。

Bプログラム クラッシクカーが続々登場! “交通コメディ” 
 

トラフィック ※未公開シーン4分を含む完全版

ニューヨーク映画批評家協会年間ベストテン選出、イタリア国民賞受賞、ロンドン映画祭年間最優秀作品選出、フィンランド・クンニアキルヤ賞受賞 

1971年/フランス/97分
監督・出演:ジャック・タチ 
出演:マリア・キンバリー/マルセル・フラヴァル

パリの自動車会社の設計技師であるユロ氏は、アムステルダムで開催されるモーターショーに、自慢の新型キャンピングカーを届ける任務を負う。広報の若いアメリカ人女性マリアとトラックの運転手と共に現地に向かうものの、パンク・渋滞・交通事故など、数々のトラブルが一行にふりかかる…。長編第5作目にあたる本作は、タチ最後のフィルム作品。「田舎と都会」「機械と人間」「車と動物」といったタチ的主題の集大成といえる後期の円熟作。ラストシーンではタチ映画史上で唯一の雨が降り、ユロ氏の蝙蝠傘が開くシーンは必見!
陽気な日曜日(短編) ★日本初上映

1935年/フランス/22分/白黒
監督:ジャック・ベール
出演:ジャック・タチ/道化師ロム

パリ近郊を訪れる観光客を相手に一儲けを企む、文無しの2人組は、ツアー客を言葉巧みに誘い、自分達のバスに乗せることに成功。しかし、お客は代金を旅行会社に前払済み。お金もなく車の故障にも襲われた一行は徒歩で帰ることに…。タチが出演した2作目の短篇。

 

Cプログラム コメディアン・タチの魅力がいっぱい 

 

パラード ★日本初上映

フランス映画大賞受賞、モスクワ映画祭金賞受賞、ロンドン映画祭年間優秀作品選出

1974年/フランス/90分
監督・脚本・出演:ジャック・タチ
出演:カール・コスメイヤー&雌ラバ/ウィリアムズ一家

 家族連れで賑わうサーカスで、タチ演じるロワイヤル氏が率いる一座の出し物がはじまる。手品や曲芸が披露される中、やがて観客も演目に参加し、いつしか客席と舞台の熱気は一つに溶け合っていく…。スウェーデンのテレビ局の招きでTV用として製作された長編6作目にして最後の作品。この時タチはすでに66歳ながら、4台のビデオカメラを駆使し、わずか3日で撮り上げた。フランスでビデオからフィルムに変換して公開された最初の作品でもある。タチがミュージック・ホール出身の芸人であることを改めて思い出させるパントマイム芸を堪能できる貴重な作品。

乱暴者を求む(短編) ★日本初上映

1934年/フランス/25分/白黒
監督:シャルル・バロワ
脚本・台詞・出演:ジャック・タチ
出演:エレーヌ・プペ/道化師ロム/ジャン・クレルヴァル

俳優を夢見る男が、雇ってくれるはずだった劇団に約束を破られてしまう。そんな中持ち上がった儲け話に、男は内容もよく理解しないまま飛びついて契約する。その内容とはレスリングの無敵チャンピオン「タタール人のグロソフ」と実際に闘うというものだった…。タチの記念すべき初出演作品。

Dプログラム“郵便配達人フランソワ”のドタバタ日常 

 

のんき大将 脱線の巻【完全版】
※未公開シーン17分を含む完全版

1949年/フランス/87分/白黒
監督・出演:ジャック・タチ
出演:ギィ・ドゥコンブル/ポール・フランクール/サンタ・レッリ

 夏のある日、フランスの小さな村に毎年恒例の祭りの時期がやってきた。のんきでお人好しの郵便配達人フランソワは、テント小屋で上映されているアメリカの郵便配達の記録映画を見て、ヘリコプターや飛行機に乗り神業のような早さで配達をする様子にショックを受ける。その後、彼は一念発起して自分もスピード重視の配達を実践するが、次第にやりすぎて「脱線」していく…。長編監督デビュー作。映画界に忽然と現れた本格的ドタバタ喜劇に、一躍タチの名前は世界に轟くことになる。
 

郵便配達の学校(短編)

1946年/フランス/16分/白黒
監督・出演:ジャック・タチ

タチ演じる郵便配達の学校で訓練を受けたフランソワが、所定の時刻に配達を行う為に、スピード配達を実行することから生じるドタバタ模様を描く。タチの監督デビュー作。ハリウッドの無声喜劇を彷彿とさせるセンスが、フランスの観客や批評家からも強い支持を受けた。タチ夫人のミシュリーヌ・ウィンテールもカフェのダンス・シーンで出演している。

 

 

フォルツァ・バスティア’78/祝祭の島(短編)
★日本初上映

1978-2000年/フランス/28分
監督:ソフィー・タチシェフ、ジャック・タチ

1978年春、フランスのチーム「SECバスティア」はオランダのチーム「PSVアイントホーフェン」とUEFAカップの優勝をかけて対決した。フランスチーム初の優勝への期待が高まる中、タチはクラブ会長ジルベール・トリガノの依頼でコルシカ島とサポーターたちを撮影。タチの死後、実娘のソフィーが実家の物置でラッシュを発見。00年に再編集して完成させた短編。

Eプログラムみんな大好き! ユロ伯父さん

 

ぼくの伯父さんの休暇 ※1978年版を基に修復

ルイ・デリュック賞受賞、アカデミー賞最優秀脚本賞ノミネート

1953年/フランス/89分/白黒
監督・出演:ジャック・タチ
出演:ナタリー・パスコー/ルイ・ペロー/ミシェル・ローラ

★6/15(日)14:45- 上映後
ゲスト・トーク:小柳帝さん

(ライター、編集者、小説版「ぼくの伯父さんの休暇」翻訳者) 

とある海辺のリゾートホテル。バカンス客たちは海水浴に、テニス、乗馬、ピクニックを楽しんでいる。そこにボロ車でやってきたユロ氏(タチ)。なぜだか彼の行くところ全てで騒動が巻き起こり…。長編第2作目。「世界に通じる表現」を求めてタチが生み出した「ユロ氏」の記念すべきデビュー作。チロル帽にパイプ、個性的な歩き方、モゴモゴとしか話さないユロ氏。本作で観る人次第で無数の筋立てと結末があるという独自の喜劇世界を創出した。

 

ぼくの伯父さんの授業(短編)

1967年/フランス/29分
監督:ニコラス・リボウスキー
脚本・出演:ジャック・タチ
出演:マルク・モンジュー

超近代的なビルの一室で、ユロ氏が黒いスーツのビジネスマンらしき生徒たちに奇妙な授業をする。その内容は、タバコの吸い方、馬の乗り方、階段でのつまづき方といったナンセンスなものだった…。資金切れによる『プレイタイム』撮影中断時にセットと役者をそのまま流用して撮られた短篇。

左側に気をつけろ(短編)

1936年/フランス/14分/白黒
監督:ルネ・クレマン 脚本・出演:ジャック・タチ
出演:マックス・マルテル

農場の作男ロジェ(タチ)は、ボクサーの公開練習を見物しているうちにリングに引きずり出されて対戦するはめに陥る。ボクシングを知らないロジェは、フェンシングやニワトリのまねをして対抗するが…。後にジャン=リュック・ゴダール監督が『右側に気をつけろ』(86)という作品でオマージュを捧げたことでも有名。

特別上映

イリュージョニスト

2010年/イギリス、フランス/80分/クロックワークス、
三鷹の森ジブリ美術館

監督:シルヴァン・ショメ
オリジナル脚本:ジャック・タチ 
出演:ジャン=クロード・ドンダ/エルダ・ランキン

1950年代、パリ、そしてエジンバラ――客を失った老手品師が出会ったのは、彼の”魔法”を信じるひとりの少女だった。手品師は、生き別れた娘の面影を探した。アカデミー賞にノミネートされた大ヒット作『ベルヴィル・ランデブー』から7年。フランスの喜劇王ジャック・タチが娘へ遺した幻の脚本を元に、鬼才シルヴァン・ショメが詩情豊かに描く、儚くもあったかい人生の物語。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

当日料金/一般1,500円、 学生/1,300円 会員/1,000円 シニア1,100円、当日3プロ券3,900円

特別鑑賞券販売中
1回券1,300円、3回券3,900円:オリジナルポスター特典付き! 

 6/7(土)ジャック・タチ映画祭関連イベント! 
  @恵文社一乗寺店コテージ 19:00~21:00迄  

ジャック・タチAtoZ
小柳帝さん(ライター、小説版「ぼくの伯父さんの休暇」翻訳)と、堀部篤史さん(恵文社一乗寺店店長)によるトークショーを開催! タチの魅力をたっぷりご紹介致します。※作品の上映はありません

入場料 1,500円/みなみ会館でタチ作品を1作品ご鑑賞して頂けるチケット付入場料 2,000円
 ご予約フォームはこちら

小柳帝さん
ライター・編集者・翻訳者・フランス語講師。
映画・音楽・デザイン・知育玩具・絵本などの分野を中心に、さまざまな媒体で執筆活動を展開中。主要な編・著書に、『モンド・ミュージック』、『ひとり』、『EDU-TOY』、『グラフィックデザイナーのブックデザイン』、また翻訳書に『ぼくの伯父さんの休暇』、『サヴィニャック ポスター A-Z』などがある。その他、CDやDVDの解説、映画パンフレットの執筆等多数。比較的最近のフレンチ・カルチャー関連の仕事に、映画『ムーンライズ・ キングダム』のパンフレットへの「ウェス・アンダーソン映画におけるフレンチ・タッチ」という原稿の寄稿、「フィガロジャポン」4月号〈パリが好きになる 映画と本。〉特集への寄稿、「BIRD」第5号〈パリからの週末旅行〉特集での本のセレクト、「ジャック・タチ映画祭」パンフレットへの寄稿、「&プレミアム」6月号〈素敵な、フランスかぶれ。〉特集への寄稿などがある。ROVAの教科書とも言うべき『ROVAのフレンチカルチャー A to Z』(アスペクト)が3月に発刊されたばかり。今年の4月から福岡のLOVE FMでスタートした「TRANSIT RADIO」(20:00~21:30)火曜日にセミ・レギュラー出演。 また、鎌倉の教室ともなっているカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュの堀内隆志氏によるポッドキャスト「鎌倉のカフェから」に一昨年ゲスト出演し、そこで ROVAのことにも触れている(現在も聴取可能)。なお、小柳およびROVAについては、 『ROVAのフレンチカルチャー A to Z』や、折形研究所発行の『折る、贈る』という本に詳しい。 ROVA:http://ecole-rova.com/

堀部篤史さん
1977年京都市生まれ。立命館大学文学部卒業後、恵文社一乗寺店店長を務め書籍やCDのセレクトや店舗運営までを手がける。著書に『コーヒーテーブル・ブックス』、『本を開いてあの頃へ』(共にmille books)『本屋の窓からのぞいた「京都」』(毎日コミュニケーションズ)、『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』(京阪神エルマガジン社)がある。 恵文社:http://www.keibunsha-books.com/


 

ページの先頭へ