2月18日(土)~3月9日(金)
鈴木清順監督の“浪漫三部作”
一挙リバイバル公開!!
国内外で六十年代から熱烈な支持を受け、今年で88歳を迎えた鈴木清順監督。その傑作群の中でも『ツィゴイネルワイゼン』(80年)、『陽炎座』(81年)、『夢二』(91年)の三作品は“浪漫三部作”と呼ばれ、豪華三大俳優を主演に迎えて、その絢爛たる映画術の成熟が頂点を極めた代表作として知られており、発表から三十年の歳月が過ぎた今なお観ても色あせない魅力を放ち、日本映画界が誇る最高傑作と言っても過言ではありません。絢爛豪華で観る者を虜にして放さない清順ワールドが、ふたたび甦る! 艶やかな映像世界に酔いしれる至極の映画体験を、ぜひこの機会に大スクリーンで味わって下さい。
提供・配給:リトルモア
配給協力・宣伝:マジックアワー
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【料金】当日一般/1,500円 学生/1,300円 会員・シニア/1,000円
「ツィゴイネルワイゼン」
出演:原田芳雄、大谷直子、藤田敏八、大楠道代、麿赤児、樹木希林 製作:荒戸源次郎/原作:内田百閒/脚本:田中陽造/ 撮影:永塚一栄(1980年/スタンダードサイズ/上映時間144分)☆日本アカデミー賞・最優秀作品賞/キネマ旬報ベストテン第1位/ブルーリボン賞・最優秀監督賞/ベルリン国際映画祭・審査員特別表彰他受賞
士官学校教授の青地(藤田敏八)と、元同僚で無頼の友人・中砂(原田芳雄)を中心に、青地の妻・周子(大楠道代)、中砂の妻と後妻(大谷直子の二役)がひきおこす幻想譚が、妖しくも美しく描かれる。奇妙な物語に通底してサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」の音色が物悲しく響き、音色のなかに一瞬、微かな声が聞こえてくるが……。
<上映日時> 3/3(土)-9(金) 14:25-
「陽炎座」
出演:松田優作、大楠道代、中村嘉葎雄、楠田枝里子、原田芳雄、加賀まりこ、大友柳太朗、麿赤児 製作:荒戸源次郎/原作:泉鏡花/脚本:田中陽造/ 撮影:永塚一栄(1981年/スタンダードサイズ/上映時間139分)☆日本アカデミー賞・最優秀助演男優賞(中村嘉葎雄)/キネマ旬報ベストテン第3位他受賞
美しい女たちの愛と憎しみの渦に引き込まれ翻弄されながら、現世ともあの世ともつかない妖しい世界をさまよい歩く主人公に、鈴木清順監督の大ファンだったという松田優作を迎える。<清順美学>と豪華な俳優陣との邂逅によって、より妖艶に、より耽美な映像世界が繰り広げられている。
<上映日時> 2/25(木)-3/2(金) 14:25-
「夢二」
出演:沢田研二、坂東玉三郎、毬谷友子、宮崎萬純、広田玲央名、大楠道代、原田芳雄、長谷川和彦、麿赤児 作:荒戸源次郎/脚本:田中陽造/ 撮影:藤澤順一(1991年/ヨーロッパヴィスタサイズ/上映時間128分)
大正浪漫を象徴的に生きた男に想を得て、清順美学はいよいよここに炸裂!女たちとの愛憎を漂泊し、詩を画にうたいあげた画家・竹久夢二。芸術家ゆえの苦悩に悶え苦しみながら、かつ紙風船のごとく軽やかに色香をただよわせる男を、『カポネ大いに泣く』につづいて沢田研二が見事に演じる。赤く染まる紅葉の金沢を舞台に、妖艶なスペクタクルが繰り広げられ、“浪漫三部作”の掉尾を華麗に飾る。
<上映日時> 2/18(土)-24(金) 15:45-
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監督:鈴木清順
1923年5月24日、東京日本橋生まれ。本名は清太郎。
43年に学徒出陣により応召。復員後の48年、旧制弘前高等学校卒業、松竹大船撮影所の助監督試験に合格。同期に松山善三・井上和男・斎藤武市・中平康などがいる。
54年、製作再開した日活に移籍し滝沢英輔・山村聰・佐伯清に就いたのち、野口博志に師事する。56年、本名で『港の乾杯 勝利をわが手に』で監督デビュー。
58年に鈴木清順と改名。プログラム・ピクチュアの巧い作り手として評価され、以後名作・快作・佳作を連打する。
67年に発表した40本目の作品『殺しの烙印』が当時の日活・堀久作社長の逆鱗に触れ、翌年4月日活から一方的に専属契約を打ち切られる。同時期、シネクラブ研究会が清順作品の上映を計画するも、堀社長はプリント貸出を拒否。それによって映画関係者やジャーナリズムを巻き込んだ「鈴木清順問題共闘会議」が発足(71年12月に和解)。
この間、70年にフジテレビ「恐怖劇場アンバランス」の一環として監督した「木乃伊の恋」(放映は73年)やCMの演出、シナリオなどを執筆。77年『悲愁物語』で劇場用映画に復帰。
80年に発表した『ツィゴイネルワイゼン』、続く『陽炎座』(81)、『夢二』(91)の三作が“浪漫三部作”として国内外で評価される。また「日本映画監督協会俳優部」を自称し、俳優としてテレビドラマ「ムー一族」「美少女仮面ポワトリン」や、映画『ヒポクラテスたち』『不夜城』など多数出演する。
01年『殺しの烙印』を自らリメイクした『ピストルオペラ』。05年、長年温めてきた企画『オペレッタ狸御殿』をチャン・ツィイー、オダギリジョ-主演で発表し、カンヌ国際映画祭・栄誉上映特別招待作品として招待された。
81年芸術選奨文部大臣賞、90年紫綬褒章、96年勲四等旭日小綬章。06年に第24回川喜多賞受賞。