『ノスタルジア』-Настальгія-
モスクワからイタリアの山村にやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳のエウジェニアは、18世紀ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿っていた。二人はそこで、世界の終末を憂え、家に閉じこもるドメニコと出会う。彼はアンドレイに、「ロウソクの火を消さずに広場を渡る。それが世界の救済に結び付く」と言う・・・・。ソ連を離れ“亡命者”となったタルコフスキーの初の異国での作品。祖国を失って彷徨う彼の心情が如実に出た、哀しく重厚で、イマジネーションに溢れた映像詩。二度と戻れない故郷に想いを馳せる主人公を深遠に描く。
1983年/イタリア、ソ連/126分/ザジフィルムズ/35mm 監督・脚本:アンドレイ・タルコフスキー 脚本:トニーノ・グエッラ 出演:オレーグ・ヤンコフスキー/エルランド・エセフソン/ドミツィアナ・ジョルダーノ ©BETA FILM. All Righats Reserved.
1983年カンヌ国際映画祭この映画の創造に対する特別大賞・ 国際映画批評家連盟賞・エキュメニック審査員賞
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『田園詩』-Пастораль-
老人や子どもが羊を追い、路地を牛がのんびり歩む黒海近くの農村。そこへ、若い音楽家の集団が都会の喧騒を離れて新曲の練習の為に合宿にやって来る。都会から来た彼らは、村人たちにとってはちょっとした事件である。村の男たちは何かと接近しようとする。少年たちも話しかけるきっかけをつかもうと、いたずらを仕掛ける。そんな中、一人の少女が音楽家に恋をする・・・・。音楽家と村人との交流が美しい田園風景の中に綴られ、日常の些細な出来事の中で展開していく。 『月曜日に乾杯!』等で知られるイオセリアーニのソ連時代最後の長篇作品。
1975年/ソ連、グルジア/98分/アテネフランセ文化センター/35mm 監督・脚本:オタール・イオセリアーニ 脚本:レヴァズ・イナニシヴィーリ/オタール・メフリシヴィリ 出演:ナナ・イオセリアーニ/タマーラ・ガバラシヴィーリ/ミハイル・ナネイシヴィーリ/レーリ・ザルディアシヴィーリ
1982年ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞
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