『悲情城市』 原題「悲情城市」
1945年8月15日、台湾。無条件降伏を告げる天皇の玉音放送が流れたその日、林家の長男、文雄(ウンヨン)の男子が誕生した。停電の最中、電灯がついた時に生まれた子であり、祖国復帰の喜びをこめて光明(グァンミン)と命名された。 林家の主、阿禄(アルー)は75才。4人の息子がいるが、次男は日本軍に徴用されて南洋から帰らず、三男は上海から生還したものの精神錯乱の状態。 幼い頃の事故で耳が聞こえぬ四男の文清(ウンセイ)は写真館を開いている。文清と同居する教師、呉寛榮(ウー・ヒロエ)とその仲間は理想の実現に情熱を燃やし、寛榮の妹の寛美(ヒロミ)と文清の恋が美しく咲いていく。 しかし祖国復帰の喜びも束の間、大陸から来た<外省人>と台湾の<本省人>の対立が、47年、<ニ・ニ八事件>となって、台湾を歴史的な悲劇に巻き込んでいく。
1989年/台湾/159分/35mm/ぴあ株式会社
監督:ホウ・シャオシェン
脚本:ウー・ニエンジェン/チュー・ティエンウェン
撮影:チェン・ホアイエン
編集:リャオ・チンソン
音楽監督:立川直樹/チャン・ホンイー
音楽:S.E.N.S.
出演:リー・ティエンルー/チェン・ソンヨン/カオ・ジエ/トニー・レオン/シン・シューフェン
1989年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
1989年台北金馬獎最優秀監督賞・主演男優賞
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『プラットホーム』 原題「站台」
中国山西省の小さな町・汾陽(フェンヤン)。 文化劇団(文工団)のメンバーの明亮(ミンリャン)、瑞娟 (ルイジュエン)、張軍 (チャンジュン)、鐘萍 (チョンピン)は幼なじみ。 劇団の練習、地方巡業の旅と、いつも一緒の時間を過ごしていた。 1980年代半ば、自由化の波がこの小さな町にも押し寄せてくる。 政府の方針の変化で劇団への補助金が打ち切られ、劇団そのもののあり方も変わってしまう。 そして、彼ら4人の関係も不安定になっていく。 明亮、張軍、鐘萍の3人は、劇団に残り仲間たちと一緒に旅を続けるが、瑞娟だけは町に留まる。 それぞれが自分の生き方を探し始める。
2000年/香港・日本・フランス/151分/35mm/ビターズ・エンド
監督・脚本:ジャ・ジャンクー
撮影:ユー・リクウァイ
編集:コン・ジンレイ
音楽:半野喜弘
プロデューサー:リー・キットミン/市山尚三
出演:ワン・ホンウェイ/チャオ・タオ/リャン・チントン/ヤン・ティェンイー
2000年ヴェネチア国際映画祭最優秀アジア映画賞
2000年ナント三大陸映画祭グランプリ・監督賞
2001年ブエノスアイレス国際映画祭グランプリ
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