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1/5(土)-1/18(金)【特集上映】《 ポーランド映画祭2012》

1/5(土)-1/18(金) ポーランド映画祭2012

ポーランド映画が戦後ヨーロッパの映画界をすさまじい勢いで席巻していたことをご存知でしょうか。
フランスのヌーヴェル・ヴァーグやイタリアのネオ・レアリズモに匹敵する、ポーランドの秘宝15本を、ぜひスクリーンで。


アンジェイ・ワイダ、アンジェイ・ムンク、イエジー・カヴァレロヴィッチといった監督たちが国際映画祭で数々の賞を獲り、 “鉄のカーテン”の向こう側にも素晴らしい映画を作る作家がいる事に西側のメディアは驚き、その結果〈ポーランド派〉という名称も生まれました。
本映画祭は1950年代半ばから1960年代初頭にかけて発表された〈ポーランド派〉の作品群や劇場未公開の“知られざる傑作”、今なお映画の最前線を疾走する三大巨匠スコリモフスキ、ポランスキー、ワイダの若き日の作品をお届けするものです。
アンナと過ごした4日間』、『エッセンシャル・キリング』(どちらも当館でロードショウ上映!えへん!)などの傑作が記憶に新しいイエジー・スコリモフスキ監督による監修のもと、ポーランド広報文化センターの全面協力で開催されるこの企画は映画ファンの皆さまにとてつもなく贅沢な時間を与えてくれるでしょう。
ぜひ、御来場下さい。

【終了】
初日特典!
1/5(土) 12:20- 『尼僧ヨアンナ』 
先着30名様にプレゼントがございます。

詳しくは こちら 。 

<1/4追記>「不運」作品分数を訂正いたしました。

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【上映作品】

『尼僧ヨアンナ』
「夏の終わりの日」で監督デビューしたコンヴィツキが共同脚本で参加した本作はカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したカヴァレロヴィッチの代表作。17世紀の尼僧院を舞台に悪魔にとり憑かれた女院長と悪魔払いとして派遣された若い神父との異様な愛をとおして、人間の抑圧と自由という普遍的な主題を描いた傑作。撮影と美術の超現実的な美しさに耽溺する一本。
1961年/108分/DV
監督:イエジー・カヴァレロヴィッチ
 
『夜の終りに』
戦後のポーランドで空虚な日々を過ごす若者の青春群像にスポットを当てた巨匠ワイダの異色作。ウッチ映画大学に在学中のイエジー・スコリモフスキが脚本を書き、ポーランド・ジャズ界の才人クシシュトフ・コメダが音楽を担当した本作は、主題を前面に押し出すワイダのスタイルが影をひそめ男女の心の触れ合いとすれ違いを繊細なタッチで描いた名作。
1961年/87分/DV
監督:アンジェイ・ワイダ
 
『サラゴサの写本』

17世紀のスペインを舞台に繰り広げられる愛と冒険の物語。現代音楽の鬼才ペンデレツキのサウンドにのせて語られる本作は〈ポーランド派〉以降登場した歴史・文芸路線の代表的な1本。夢の論理をそのまま視覚化したような迷宮感覚は、今見ても衝撃的。ルイス・ブニュエルをはじめコッポラ、スコセッシ、リンチ、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアらが熱狂した超カルトな幻想怪奇譚である。

1965年/182分/DV
監督:ヴォイチェフ・イエジー・ハス
 
『列車の中の人々』
「訪問者なし」で先鋭的な映画表現を試みたクッツだが本作では細かい観察に基づいたリアリズム描写に挑戦している。第二次大戦中の地方駅を舞台に“ありふれた1日”の出来事を寄せ集め的に構成し、当時のポーランド社会を描こうとしたのである。ワイダと異なり主人公を英雄的に扱わない視点にクッツの作家性がよく表われている一作。
1961年/98分/DV
監督:カジミェシュ・クッツ
 
『夏の終りの日』
戦争で精神を病んだ男と恋人を失った女のひとときの出会いを描いた本作は、来たるべき〈ヌーヴェル・ヴァーグ〉の時代を予見したとも言われるコンヴィツキのデビュー作。ポーランド文学を代表する作家でもある彼は、リトアニア生まれでワイダやカヴァレロヴィッチ作品の脚本家として映画界入りした異色の経歴をもつ。ヒロイン役イレーナ・ラスコフスカは実の妹。
1958年/66分/DV
監督:タデウシュ・コンヴィツキ
   
『夜行列車』
恋人との別れを決意して旅に出た傷心の女と逃亡中の殺人犯…。その列車にはさまざまな想いを背負った人々が乗り合わせていた。ワルシャワからバルチック海へと疾走する列車の中で人それぞれの人生模様が描かれる本作は、メロドラマ仕立てでありながら大胆なカメラワークでクールな叙情性を醸し出したカヴァレロヴィッチの才気が光る秀作。
1959年/100分/DV
監督:イエジー・カヴァレロヴィッチ
   
『さよなら、また明日』
「灰とダイヤモンド」で主人公マチェックを鮮烈に演じ東欧のジェームズ・ディーンと呼ばれたズビグニェフ・ツィブルスキが脚本・主演した知られざる傑作。フランス人の若い娘との淡い恋物語がヌーヴェル・ヴァーグ風の軽快なタッチで描かれる。社会主義政権下でありながら西側の文化が徐々に浸透してきた時代の雰囲気を表現。ポランスキーのゲスト出演とコメダの音楽も必見・必聴。
1960年/88分/DV
監督:ヤヌシュ・モルゲンシュテルン
   
『地下水道』
「灰とダイヤモンド」と並び〈ポーランド派〉の傑作と絶賛されたワイダの代表作。ワルシャワの対独レジスタンスが迷路のような地下の下水道で繰り広げる壮絶な戦いを非情なドキュメンタリー・タッチで描いた本作は、光と影を巧みに使った斬新な演出で後年ホラー、サスペンスジャンルの映画に多大な影響を与えている。カンヌ映画祭審査員特別賞。
1957年/96分/DV
監督:アンジェイ・ワイダ
 
  『鉄路の男』
列車事故を防ごうとして命を落とした退職鉄道技師の物語をリアリズム・タッチで描いたムンクの意欲作。社会主義政権の自由化進展をうながした1956年の政変〈十月の春〉をとりあげた最初の映画と言われている。当時の若手映画人が崇拝していた「羅生門」や「市民ケーン」にならい複雑な物語構成、パン・フォーカスによる映像等、監督の作家的成熟がかいまみられる一編。
1957年/89分/DV
監督:アンジェイ・ムンク
 
『灰とダイヤモンド』
ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しポーランド映画の存在を一躍世界に知らしめた歴史的作品。戦後のポーランド映画界を牽引した巨匠ワイダの名は本作によって映画ファンにあまねく知られる事となった。戦争中レジスタンスとして活動し戦後はテロリストとなり悲惨な最後を遂げた青年の姿をシャープなモノクロ映像で描いた傑作!
1958年/102分/DV
監督:アンジェイ・ワイダ
 
『エロイカ』
わずか5本の長編作品を残し40歳の若さで事故死したアンジェイ・ムンクは硬質で無垢な芸術表現、残酷なまでの知的リアリズム、人間に対する深い洞察をもつ作風で、現在もなお色あせることなく多くの作家に影響を与えている。ワルシャワ蜂起の内実と平和な収容所でおこる悲劇を2部構成で描いた本作。“戦争”を主題に扱うことの多い〈ポーランド派〉の代表的な1本である。
1957年/87分/DV
監督:アンジェイ・ムンク
 
『不運』
1930年代から1950年代のポーランドを舞台に日和見主義者の青年が語る人生悲話。6回のフラッシュバックにおいて描かれるのは共産主義やファシズム、戦争、抑圧された幼年時代の影響で歴史の犠牲となってしまった悲運な個人の肖像である。ポーランドの作家に時折りみられるロマン主義的傾向を辛辣に風刺した一作。
1960年/92分  112分(1/4訂正)/DV
監督:アンジェイ・ムンク
 
『水の中のナイフ』
鬼才ポランスキーの名を世界に知らしめた長編処女作。裕福な中年夫婦と貧しい青年が偶然に湖でバカンスを過ごす。主な登場人物3人、全編オールロケで炙りだされる世代間の断絶や階層のギャップ。共同脚本として初めてタッグを組んだイエジー・スコリモフスキの才気とクシシュトフ・コメダのモダン・ジャズがスパークした大傑作。ヴェネチア映画祭批評家連盟賞受賞。
1962年/94分/DV
監督:ロマン・ポランスキー
 
『愛される方法』
K・ブランディスの同名小説に基づき、原作者自身が脚色。人気ラジオ女優がパリへ向かう機上で、戦時中ナチスに敵対した恋人と、彼を巡って自身が見舞われた悲劇を回想する。ムンクの「パサジェルカ」と同じく、女性の視点を通じて戦争を見つめた作品。英雄的闘争は対象化され、一人の女性が抑圧や不条理を受容しつつ静かに抵抗する姿が描かれる。サンフランシスコ映画祭グランプリ受賞。
1963年/97分/DV
監督:ヴォイチェフ・イエジー・ハス
 
『沈黙の声』
〈ポーランド派〉の活躍した時期に作られた作品ながら長い間論じられることのなかった幻の傑作。後のヌーヴェル・ヴァーグやアントニオーニの作品群を予見した映画である。逃亡兵と若い女の恋物語がわずかな台詞、ヴォイチェフ・キラルの音楽、大胆な画面構成で描かれ、製作当初当局からすぐに上映許可が下りなかった衝撃の1本。
1960年/98分/DV
監督:カジミェシュ・クッツ
 

【タイムテーブル】

【料金】

当日:一般/¥1,500 学生/¥1,300 会員/¥1,000 当日3回券/¥3,600
前売1回券/¥1,200 前売3回券/¥3,000 

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